第2章 With Edgar(エドガー)✳︎R18
長い沈黙が続いた後、不意に、エドガーはの髪に触れた。
「…!?」
驚いたが、身を引くと、エドガーの笑みの中に、少し動揺が見られた。しかし、声色はそのままだ。
「そんなに怯えられたら、やりにくいじゃないですか。」
「や、やりにくい…?」
「貴方は、赤の兵舎に足を踏み入れた時点で、赤の軍に属しているんです。だからもう少し…」
の長い髪を、エドガーはふわっと掬って、愛おしげに香りを嗅いだ。
「…この俺に、慣れてもらわないと。」
エドガーの、二つの鋭い緑の瞳が、を射抜く。それは、彼のデフォルトの表情に染み付いた、真意を読めないいつもの穏やかなものと違っていた。獲物を狩るような、雄のそれである。
自分の意思を無視して、無理矢理攫われたにも関わらず、エドガーの瞳からは目を離せないでいた。不覚にも、心臓まで早鐘のように打つのだ。