第1章 With Janah (ヨナ) Act 1 ✳︎R18
ヨナが囁いた瞬間、の胸がぶわっと急激に熱くなった。恥ずかしかったり、腹が立ったり、感動したり、さっきから忙しい。
しかし、次に続いたヨナの言葉は、ひどく寂しそうなものだった。
「俺のこと、もっと、欲しがってよ。.......あいつのことじゃなくてさ。」
「....シリウスさんのこと?」
「他に誰がいるのさ。それに、あいつにさん付けなんて要らないよ。」
不機嫌そうにヨナは吐き捨てると、の目を見た。
「ヨナ、説明させて。あれは....っ」
「あーあーあー。言い訳はいいよ。わかってる。本当はものすごく悔しくて、はらわた煮えくり返りそうだけどね、惚れた弱みだ。仕方がないよ。....俺はそれでも君のことをどうしようもなく愛してる。」
ヨナがまくし立てた後、サラッと言われた言葉に、はまた胸が苦しくなって、事情の説明すらまともに出来ない。
(惚れた弱みって.....ヨナは......そこまでして私のこと....?)
は、今しがた言われたことを反芻して、余計に頬が熱くなった。