第2章 キノコパニック(ゾロ)
『良かったルフィ…何ともないみたいね』
「ん…?」
後方から聞こえた声にルフィは振り向く。
「あァー‼︎ダメだルフィ‼︎見ちゃダメだ‼︎」
チョッパーが叫ぶが時既に遅し、ルフィの瞳にはバッチリユナの姿が映った。
「…おいチョッパー何をそんなに焦ってんだよ?」
鼓膜を突き破るんではないかという程の叫び声にウソップは耳を塞ぎながら問えば、何やらルフィがぶつぶつ言ってる事に気が付いた。何を言ってるんだとウソップは耳を塞いでいた手を退ける。
「…く……に……にく…」
「肉?…おいルフィ肉がどーし…」
「にくーーー‼︎」
ウソップの声は聞こえていないのか、ルフィは肉と叫びながらユナへ向かって一直線に飛び掛った。
「マズイっ、ユナ逃げろ!」
『…えっ⁉︎』
チョッパーの焦りの声とルフィの異様な殺気を感じてユナは後方へと飛び退く。
先程までユナがいた場所にはルフィが地面にヒビを入れて着地していた…砂埃が僅かに上がる。
「お、お、おい!どーなってんだよ⁉︎何でルフィがユナを襲ってんだ⁉︎」
目の前の状況についていけないウソップは頭を抱えて、一人事態を把握してるであろうチョッパーに説明を求める。
チョッパー曰くルフィが口にした”オオカミダケ”は異性が獲物に見える毒があるらしく、男が食べれば女を、女が食べれば男を見境なく襲うらしい。
「恐ろしいキノコだな⁉︎それで…もちろん解毒もあるんだろ⁉︎」
「あるにはあるけど…ちょうど今切らしてて手元にねェんだ…!」
「じゃあどーすんだよ⁉︎このままルフィをほっとくワケにもいかねェだろ…‼︎」
そうこうしてる間にもユナはルフィの攻撃を必死に避けていた、ルフィの攻撃で木が数本薙ぎ倒されていく──。
「チョッパー‼︎何か手は無いのか⁉︎」
このままではユナの身が危ないとウソップが叫ぶ。
「…ひとつだけ方法がある」
「何だよ早く言えよ…!」
オオカミダケが生えてるところには”ウサギダケ”も一緒に生えている事が多い。”ウサギダケ”とはピンク色で笠の部分にはウサギみたいな耳の突起が二つある、オオカミダケとは逆で口にすれば男は女が、女は男が怖くなる。
だから双方を口にすればお互いの毒で打ち消し合い、正常に戻るハズだとチョッパーは言う。