第2章 キノコパニック(ゾロ)
「おっ宝〜おっ宝〜、ねェかなお宝〜」
「そんな簡単に宝が見つかったら誰も苦労しねェよ」
鼻歌交じりで木の枝を片手に歩くルフィにごもっともなツッコミを入れながらウソップはその後ろを付いて行く。
「お宝じゃ無くてもこんだけ大自然なら珍しい薬草がありそうだな」
『チョッパーは本当に勉強熱心だね…確かに一つくらいはありそうね』
ルフィとウソップの後ろをチョッパーとユナが並んで歩きながらそんな会話をしていれば先頭を歩いていたルフィが声を上げた。
「おい見ろよ!変なキノコがあるぞ!食えンのか〜?」
そう言うなりルフィはそのキノコを手に取るとそのまま口へと運ぶ。
「えっ、ちょっと待てルフィ‼︎」
「──ルフィ! ダメだ‼︎」
ウソップとチョッパーの制止も虚しくキノコはルフィの口へと消えていった。そしてキノコを口にしてからピクリとも動かなくなったルフィに三人が駆け寄る…だが。
「ユナは来ちゃダメだ!」
『え……?』
まさかのチョッパーの言葉にユナの足が止まる。
「おいチョッパー何でだよ⁉︎」
ルフィに駆け寄ったウソップが隣に来たチョッパーに聞けば、焦りながらもチョッパーは説明する。
遠目だったからしっかりと確認できた訳じゃないがルフィが食べたのはおそらく”オオカミダケ”、色は紺色で笠の部分にオオカミの耳の様な突起が二つあるのが特徴のキノコだ。
ルフィの食べかけのキノコを見てやっぱりとチョッパーは確信した。
「その”オオカミダケ”か?それとユナが近付いちゃイケねェ理由となんの関係があるんだよ?」
少し離れたところで心配そうな眼差しを向けるユナに変わってウソップが船医であるチョッパーに詰め寄る。
「”オオカミダケ”は…」
「ん〜…ありゃ?…おれ何してたんだ?」
チョッパーが説明しようとしたところでルフィが気が付いたのか声を上げた。
「良かったルフィ!おめェ大丈夫かよ?」
「大丈夫?なにがだ?」
とりあえずは元気そうなルフィを見てウソップとユナは胸を撫で下ろした、唯一チョッパーだけが何故か焦っている。