【文スト】トリップしたら心中申し込まれたんだけど?
第13章 貴方がくれた温もり
太宰
「トリップ・・・?君はこの世界の人じゃないという事かい?」
『はい。』
太宰さんはどう思っただろうか。
こんな馬鹿げた話、信じてくれるのだろうか。
僕は下を向き、太宰さんの次の言葉を待った。
太宰
「美采ちゃん。」
『はい、何ですか?』
太宰
「君さえ良ければなんだけど、過去の話を聞かせてくれないかい?」
太宰さんは真剣な表情で言う。
ーやめて、僕に温もりを与えないで。
ー冷めてなくなってしまうのならその温もりに触れさせないで。
だけど、なくなってしまうと分かっていても・・・
太宰さんは僕に温もりを与えてくれた。
寒くて寒くて、死んでしまいそうだった僕に。
「貴方になら、話してもいいです。
ちゃんと、僕の事を受け止めて下さいね?」