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付喪神様の御座します処【刀剣乱舞】

第6章 君の笑顔を数えよう【にっかり青江】


「ところで、君はどうして神剣になりたいんだい?」
望月が作る馬蹄の跡を見つめながら歩いていたにっかり青江は、頭上から降ってきた声の主を一瞥した。
「んー。何でだろうねぇ。そこまで深く考えてはいないよ」
青江はため息交じりに答えた。
声の主、石切丸はその様子にただ優しく微笑んだ。
そんな彼らの視線の先には、夕陽に赤く燃える本丸があった。
彼らの部隊は、そこへ向かって静かに進んでいくのだった。

その時、おどろおどろしい気配に二人は瞳に冴えた炎を灯した。
先に動いたのは青江だった。
青江は刃を抜くと数メートル先の草むらまで一気に間合いを詰めると、一閃を与える。
その途端、黒い障気が木葉が舞う合間より流れ出たのだ。
「青江、大丈夫かい」
石切丸は下馬し、彼の隣に並ぶ。
「最近増えたよねぇ、あやかし。時間溯行軍だけでも骨が折れるっていうのに、やっかいだねぇ」
石切丸がその場所を見る頃には、あやかしの姿はもう消え失せていた。
どうやらあまり強いものではなかったようだ。
「そうだね。……まるで何かに吸い寄せられてるように」
その石切丸の声は、赤く焼ける空に吸い込まれていった。
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