• テキストサイズ

さにわのはなし【刀剣乱舞】

第10章 「愛とはどんなものかしら」



こんな些細な疑問を両親に問うと、

そんなことを考えるな

と。烈火のごとく怒られて、引っかかりを覚えた。



どうしようもなかった。


とりあえず、途方に暮れてみた。

気が済むまでどん底をさまよって、
それでも事態は動かないから、
「親の望むわたし」がなぜ必要とされているのか、
自分でよく考えてみることにした。



容姿。
自己主張の少なさ。従順さ。
気遣い。金銭感覚。夜の態度。

求められた条件を一つずつ分析する。
どうして、「こんな風にしていると愛される」のか。

考えるだけでも、自分の知っているアイデアしか出ない。
だから外部にも、親には秘密で知恵を求めることにして、
その結果。


私は両親に、
「未来の結婚相手への貢ぎ物」になるよう育てられていたのだと悟った。

簡単に言えば、
「質のいい奴隷をプレゼントするから仲良くしてね☆」
というやつだ。

容姿が優れているものを連れていれば、
権力を誇示できる。

大人しく無垢で従順なものを連れていれば、
簡単に騙せるし、優越感に浸れる。
怒られないし、気分を害することもない。
反撃もされない。

運命と信じさせていれば、
もうこれ以外に機会などないと思い込んで、
逃げることさえしようと思わないから、
心を砕いてやる必要もない。

安全で子供を産める、
優れたスキル付きの、反撃しない愛玩動物。


以上が、私に求められていた未来絵図。
/ 73ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp