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さにわのはなし【刀剣乱舞】

第10章 「愛とはどんなものかしら」



願いを叶えてくれるものは、良いもの。
期待に応えてくれる、
あるいはその予定があるものは、神様になる。
だから、愛せる。手放せない。
そうして人も物も、信仰を得る。

では、逆はどうだろう。

どんなに正しく、希望をつなげる道へのいざないだとしても、
自分の思い通りにならないものは?

悪いものだ。
だから恨まれ、呪われる。
邪魔だから。不快だから。
道理は一旦横に置いておいて、気に障るものは、嫌われる。

十数年の人生の中で、私はそんな結論に達した。



そして私は両親に、
いつか出会うはずの未来の夫に、
「愛されるようになれ」と、望まれた。

確約された、白馬の王子様とか、
運命の人とか言うものの到来。

日常に転がるフィクションの中では、
彼らに出会った少女は割と、華麗なる転身を遂げたりする。

けれど。

ある日、
気づいてしまったのだ。
愛されて、それでお終いではない。

夢がかなった瞬間死ぬわけではないのだから、
めでたしめでたしの後になっても、結局明日はやってくる。

なら、
愛されて、子供を産んで。
それが終わったら、どうすればいいの?
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