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君と私と(非)日常

第13章 ひまつぶしシリーズまとめ


「他人の手で遊ばないでください。くすぐったいです」

『はーい……あ、ねぇイズルくん、私の手ぇ暖かい?。』

「はい、暖かいです」

『やったぁ、超高校級の希望も安いもんだね!。福引きのお礼が手を暖めるだけで済むんだから。』

「今のは偶然寒かったからそうしただけです。あなたに出来ることなんてそれくらいでしょう」

『今、しれっと私のこと能無しって言った?。』

「何か文句でも?」

『認めちゃった!。ひどいっ……、私のクラフトワークの才能ならイズルくんに手袋でもマフラーでも薪ストーブでも何でも作ってあげられるのに!。』

「つくってもらうこちらの身にもなってください。あなたは相手が喜ぶかどうかより、自分が面白いと感じるかどうかでしかデザインを決めないでしょう」

『イズルくん、サーモンピンクとか意外に似合うと思うんだ。可愛い系のアイテムとかならギャップが出てなかなか良いんじゃないかな。』

「人の話を聞きなさい」

『えへへー、まぁいいじゃん。デザインに文句があるなら今度一緒に共同製作しようよ。私とイズルくんなら、世界のファッションブランドも衣装を引き裂いて悔しがる程のすごいものが出来るって!。』

「そうですね……あなたに任せて変なゴミが出来るよりは僕の才能を発揮させた方が良いでしょう」

『……ゴミとか言っちゃってる私のプレゼントを全部捨てずに保管してくれてるの知ってるんだからね!。とにかく一緒に作ったらきっと楽しいよ。そうと決まれば早く帰ろう!。』

「そんなに強く引っ張らないでくださいよ……。寒いんですから、走ったら風がより一層冷たく感じてしまうじゃないですか」

『手ぇ繋いでるから大丈夫!。寒くないよ!。』

「手だけじゃないですか……」

『私は全身暖かいよ!。イズルくんと手ぇ繋ぎっぱなしで嬉しいからね!。』

「僕はそれほど嬉しくはないので全然暖かくないんですよ……ほら、全身暖かいのならこっちに来て下さい」

『………えっ、コートの内側に入れて抱き寄せてくれるってかなり嬉しいけど歩きづらくない?。』

「歩きづらい程度、どうってことありません。寒い方が嫌ですからね」

『そっか、寒いのがイヤならしょうがない。ゆっくり帰ろうか……。』

「そうですよ。超高校級の湯たんぽとして頑張ってください」

『……湯たんぽじゃないよ!。』




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