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君と私と(非)日常

第13章 ひまつぶしシリーズまとめ


ひまつぶし⑤

『ねぇイズルくん。イズルくんにも幸運の才能があるんだっけ?。』

「勿論です」

『よっしゃ、じゃあ放課後は私と一緒に出掛けようよ。頼みがあるの。』

「どこに行くんですか?」

『商店街に福引きしに行くの。5回分持ってるんだ。』

「あぁ、つまり僕の幸運を利用して欲しいものを手に入れるという魂胆ですか」

『うん、当たり!。』

「お断りします」

『え、何で?。』

「幸運の才能なら僕の他に何人か居るでしょう。しかもあなたの知り合いでしたら2人も居るじゃないですか」

『えー。だって苗木くんは滅多に幸運を発揮してくれないし、狛枝くんはハイリスクハイリターンだから損する可能性もしっかりあるんだよね……。』

「それで僕の所に行き着いたと……」

『お礼はするよ。』

「どのようなものですか?」

『えーっと……じゃあイズルくんとデートしてあげる。』

「お断りしま……」

『あ、嘘だよ!。冗談!!。とにかく1回だけ何でもするから福引きに付き合ってよ。』

「はぁ……仕方がありませんね。わかりました、僕もついていきます」

『やったぁ!。ありがとうイズルくん。』





『アハハ、大漁だねぇ。』

「あなたが欲しいと言ったものは5回とも全て手に入れましたよ。……今度はあなたが約束を果たす番です」

『うん、ただしお願いには限度があるからね?。エッチなお願いは……場合によっては有りだよ。』

「有りなんですか……」

『え、なに?。ホントにしちゃうの?。』

「いえ、しませんよ。あなたを相手に誰がしますか」

『前半聞いたら紳士なのに後半はやたらと罵倒っぽい。』

「そうですね……あなたが出来る範囲でですか………」

『さぁ来い!。』

「……誉稀、あなたは今寒いと感じていますか?」

『?。全然寒くないよ。』

「でしたら、帰り道は僕の手を握っといてください。風とか今日は冷たいんで」

『うん、わかった……って冷たッ!。何これ、氷みたい……!。』

「うるさいですよ。大人しく掴んでいてください」

『うわぁ……罰ゲームみたい。冷たすぎて手が痛いんだけど………。』

「さぁ、帰りますよ」

『……あ、イズルくんって結構手が大きいね。指とかも長いし……。』
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