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君と私と(非)日常

第9章 ある朝の夜這い


狛枝くんに悪態を吐きながら距離を取る。
もうすぐ朝のアナウンスの時間だ。皆が起きてレストランに集まり始めるはず。
そこに行けば安全を確保できる。
「はぁ……派手にやったね。でもこれで希灯さんに分かってもらえたかな」
『な、何を……?。』
羽根まみれの体を払いながら狛枝くんが窓を指差す。
「不用心の恐ろしさを、だよ。大抵の状況では枕なんかじゃ太刀打ちできないと思うから、次からはちゃんと戸締まりして寝てほしいな」
……つまり狛枝くんは私の防犯意識を上げさせるために一芝居打ったってこと?。
……………。
……んなわけあるか!。
『嘘つき!!。』
私はコテージからさっさと逃げようとした。
「あ、ちょっと待って」
『……何っ?。』
呼び止められて振り返ると、狛枝くんは真剣な眼差しで言う。
「この部屋で処理していくね。よかったら希望のカケラ5つのよしみで希灯さんに手伝ってもらいたいんだけど」
本当に、本当にこの男ときたら……!。
『嫌だよ、私先にレストラン行くからね。』
「じゃあティッシュの代わりに希灯さんの下着に包んでおくよ。大丈夫、ちゃんと洗って返すから」
『「じゃあ」じゃないよ!。了承もしてないのに勝手にタンスから出さないで。それに洗って返されても絶対に使わないからね。』
何から何まで変な奴だ。
彼こそが変態の極みなのかもしれない。
よく今まで誘われるがままに自由時間を共にしてこれたものだ。
ピロリン、と私と狛枝くんの電子生徒手帳から通信簿が更新される音が鳴る。
「あ、全部埋まって結晶になったね。希灯さんのは今から使うのを貰っておくから、今度はボクのパンツをあげるね」
『要らないしあげないよ……!!。』
顔を赤らめながら脱ぎ始めた狛枝くん。堪えきれなくなった私は、ただコテージから飛び出すことしか出来なかった。
次からちゃんと戸締まりをしよう……!。




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