• テキストサイズ

君と私と(非)日常

第7章 神様殺し


そうすれば、生徒会も指導者を失って散り散りになっていくはず。
いけないこととは思いながらも、ついそう願いながら個室で過ごした。



次の日、死体発見アナウンスに呼ばれて超高校級の美術部の研究教室に行く。
死んだのは夜長さんだった。
昨日突き飛ばして以来の再会だ。
4体の逆さ吊りの蝋人形に囲まれ、その中心で首から血を流して倒れている。
怪しい彼女にお似合いの、怪しい死に様だった。
でも死ぬのを願った次の日に死ぬだなんて、とても不気味だ。
腹の底でぐるぐると不安が渦巻く。
誰が殺してくれたんだろう……。死体を調べる最原くんたちの様子を眺めながら考えたが、見当がつかなかった。
でも、まぁいいんだ。これでもう、神様がどうとか言う騒動は起こらない。
これで良かったんだ……。
私はそう何度も心に言い聞かせる。
じわじわと込み上げてくる罪悪感を消そうと、必死に彼女の死を正当化しようとした。
その時点で、私も夜長さんとあまり変わりのない思想を持っていることに気付いたが、それももうどうでもいいのだ。
さよなら、夜長さん。
君の神様は君と共に死んだんだ。
もうこの学園に神様なんていらない。
私たちは、私たちだけの力で生きていくんだ。





/ 203ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp