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君と私と(非)日常

第29章 ややこしい2人


「2日目です。今までどこにいても毎回探して会いに来ていたあなたが現れない上に、あなたと鉢合わせしそうな場所に近付くと決まって誰かしらに進行を妨害をされました。あなたのことも他の方々のこともどうでもよかったので関わらないようにしましたが」
明確な目的がないわりにはやけに徹底して遭遇しないようにしていた、とカムクラがここ数日を思い返す。
『あー、だから全然会えなかったんだ。食事時ですら見掛けなかったもんね。』
うんうんと頷きながら希灯が納得する。
『……そもそも変な計画の目的は何だったんだろうね?。イズルくん知ってる?。』
「そうですね……接触してきた人達からの質問内容から察するに、僕と誉稀の仲に疑問を持っていたようです。僕とあなたのテンションの差があまりにも違うのでちぐはぐな組み合わせに見えたんでしょう。何やらあなたと過ごしていることについて気にするような言葉をいくらか掛けられました」
少し聞きたくなさそうな表情になった希灯にカムクラは続ける。
「おそらく僕があなたに付きまとわれ、嫌々一緒に居るのではないかと勘繰ったようですね」
希灯はカムクラの推測に顔色を悪くしていた。
『……イズルくん、今までずっと迷惑だった?。』
「いえ」
『またいつもみたいにどっちでもないって言うの?。』
「はい」
『…………。』
希灯は迷惑じゃないならそれでいい、とはならなかった。だからと言ってどんな言葉が欲しかったかと考えるもそれは思い付かない。
『つまらない、ってこういう気持ちなんだね。君の言葉と同じかは分からないけど。』
溜め息を吐きながら希灯が立ち上がる。
『手当てありがとね。今日はもう寝て過ごすから、私は大丈夫。戻っていいよ。』
ドアを開けて誘導する希灯に従って、カムクラはすんなりと出ていく。
振り返りすらしないカムクラの背中を見つめて、希灯はどこかもどかしい気持ちになった。
『(違う……こう言う会話がしたかったんじゃない)。』
希灯から別れを告げたのは今回が初めてだった。いつもであればカムクラが潮時を見て解散を促す。
カムクラを追い出すようなことをしてしまった自身に内心困惑していた。
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