第4章 甘いキスを教えてあげる ※【大将優】
口元を舐めとって、起き上がる。
目を潤ませる紗菜ちゃんを見下ろすと、恥ずかしそうに両手を伸ばしてきた。
「優さん…ギュッて、して…」
もう…ほんと、いちいち可愛い…。
自分でも驚くほど紗菜ちゃんに夢中だ。
俺も上半身を脱ぎ、望みどおり覆い被さって抱き締めれば紗菜ちゃんの腕が首に絡んでくる。
視線も交わらないまま、紗菜ちゃんの方から唇を押し当ててきた。
伏し目がちな紗菜ちゃんの顔に手を添えて、俺の方へ向ける。
「嫌じゃなかった?」
「……うん、気持ちよかった。でも…恥ずかし過ぎた……」
「そう?感じてる紗菜ちゃん、可愛かったよ。紗菜ちゃんの方から "して欲しい" って言ってくれるようになると、もっと嬉しいんだけど」
それを聞いた途端、顔を更に赤くして何度も首を振る。
「……そんなイヤラシイこと、言えないよ」
俺からもキスを。
角度を変えて、何度も何度も。
柔らかくてふわふわの唇。
紗菜ちゃんは、どこもかしこもマシュマロみたいだ。
「ねぇ、優さん…は、されるの…嫌い?」
「え…」
キスの合間に囁くように小さく聞かれる。
「 "されるの" って…口でされるのってこと?」
言葉はなく、ただ黙って頷く。
そりゃ嫌いじゃないけど、好きな子にそんなことさせるのは悪いというか…。
どう返そうか考えていると、紗菜ちゃんは俺の首元に顔を埋めながら続ける。
「優さんにも気持ちよくなって欲しい…から、私もする…」
「……無理しなくていいよ。俺、充分気持ちいいから」
これは本当。
感じてる紗菜ちゃんの顔を見て、声を聞いて、体の反応を目の当たりにして…。
それだけでもう、痛いくらいに膨れ上がってる。
そこでやっと、自分から目を合わせてくれる紗菜ちゃん。
「…無理じゃないよ。上手くできるかわからないけど…してみたい」
こんな風に言われてまで断れるような奴、いる?
残念ながら、俺はそんな出来た男じゃない。
それに、紗菜ちゃんが俺のを咥える所を想像するだけで……もう色々ヤバ過ぎる…。