第4章 甘いキスを教えてあげる ※【大将優】
チラッと俺を見上げた紗菜ちゃんは、言葉どおり、嬉しそうに微笑む。
身長差から自然と上目遣いになったその顔が、堪らなく可愛くて。
もう、大人げないと思われてもいい。
「俺、今日めちゃくちゃ我慢したからね?風呂場であんな格好した紗菜ちゃんに、手出さなかったこと。だからご褒美ちょうだい」
「何…あげればいい…?」
「全部欲しい。もちろん無理強いはしないけど…でも、俺の正直な気持ち。紗菜ちゃんが欲しいよ」
帰したくない。
もっと抱き締めたいし、もっとキスしたい。
もっと色んな紗菜ちゃんを知りたい。
紗菜ちゃんは俺に向き直ると、胸に顔を埋めてギュッと抱きついてくる。
「そんなの…私だって思ってたもん…。全部、優さんにあげる」
そのひと言で、一日分の我慢が音を立ててキレた。
紗菜ちゃんの手を引っ張って寝室に連れていく。
ベッドへ座らせるなり、すぐさま押し倒し上から覆い被さった。
「紗菜ちゃん、可愛いこと言い過ぎ。めちゃくちゃエロいことしたくなるんだけど」
「…優さんのエロい姿、見たい」
「だから…そういうこと言っちゃダメだろ…」
紗菜ちゃんの口を黙らせるように、一度キスをする。
見上げてくる瞳が期待に震えていることがわかって、俺は躊躇することなく、その先へ。
貪るように唇を重ねて、舌で舐って、熱い吐息を交わらせて。
たぶん、紗菜ちゃん苦しくなっちまうかも…。
そのくらい休みのない、激しく濃厚なキスを。
「んんっ…」
くぐもった声が漏れる頃合いを見て、少しだけ緩やかなキスに変える。
「すぐ…、さ…」
「ん?」
紗菜ちゃんの小さな声を、何とか拾う。
可愛い声を聞きたいけど、この唇は離したくない。
「何?」
話せるだけの余裕を持たせて、そのままキスを続ける。