第4章 甘いキスを教えてあげる ※【大将優】
「入るよ?」
「はい…」
洗面所に足を踏み入れて棚の上のシャンプーを取り、紗菜ちゃんから少し目を逸らしつつ手渡した。
「ありがとうございます」
肩から胸元まで露出した肌と、肉感的な太もも。
視界の端にあっても、その存在をグイグイ主張してくる。
ヤバイ…見たい、触りたい。
「優さん」
「え?」
「えっと…離して欲しいな…」
控え目に言われて気づく。
渡したシャンプーは、俺の手がまだ掴んだまま。
「あ、ごめん…!」
動揺したせいか、その拍子にうっかり紗菜ちゃんの姿を見下ろしてしまう。
そこには、バスタオルからはみ出しそうな、たわわな胸が…。
「……」
堪えろ…俺……!
「じゃあ、ごゆっくり!」
慌ててそこから逃げ出し、洗面所の扉を閉めた。
…………。
ヤベェ…勃った…。
ちょっと胸チラ見しただけで勃つとか…。
高校生かよ…。
ガックリ肩を落とす。
でも正直言って、だいぶそっちはご無沙汰だ。
男として正常な反応なのかもしれない。
だからって、昨日の今日で、なんて。
体が目的だと思われたくねぇし。
何より、紗菜ちゃんを怖がらせたくない…。
やっぱり、さっさと出掛けるに限る!
改めて気合いを入れ直した俺は、朝食作りの続きを始めた。