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フォンダン・ショコラ【ハイキュー!!】

第4章 甘いキスを教えてあげる ※【大将優】




「うわぁああっ!!何でそんなとこいんだよ!?マジで怖ぇから!!」


「あはははっ!優さんビビり過ぎー!」


ソファーに並んで座り、目の前のテーブルには買ってきた酒とつまみ。
最初はそれをチビチビ飲みながら観ていたが、いつの間にか映画の世界に入り込んでいく。
画面に突如訪れては人を襲う、気色悪いゾンビ。
その様子にビビりまくる俺と、笑い転げる紗菜ちゃん。

「心臓に悪過ぎだろ!誰だよ、こんなん観ようっつったのは!」

「私ですね」

「だよな?笑い過ぎな!」

思わず紗菜ちゃんの頬っぺたを指でプニッと摘まみ、テレビに映される惨状を睨んだ。

「紗菜ちゃん怖くねぇの?」

いつの間にかピタリと笑いを止めた彼女を見てみると、さっき俺が摘まんだ頬に手を当てている。


「怖いですよ…?だから、手…繋いでてもいいですか…?」


そう言ってゆっくりソファから腰を上げ、俺の足と密着するくらい近づいてくる。


「……」


いいも悪いも言わないうちに、紗菜ちゃんの左手は俺の右手の指に絡まる。
いわゆる、恋人繋ぎだ。

一気に心臓がうるさくなるが、紗菜ちゃんの行動はそれだけに留まらなかった。
今度は空いているもう片方の手を俺の腕に絡めて、ピタリと体を寄せてきたのだ。


「ちょ…紗菜ちゃん…」


ヤバイ…当たってるよ、胸…。


「ダメ…ですか?」


ダメじゃねーけど…
もう映画どころじゃない。
紗菜ちゃんの細い指と、弾力のある胸にしか意識が向かない。

これ…わざとか?

チラッと顔を覗いてみると、物言いたげな瞳で俺を見つめてくる。


「…酔ってるの?」


潤んだ瞳とほんのり赤みが挿した顔は、そう見えなくもない。
でも、その視線はしっかりと俺を捕らえている。


「紗菜ちゃん。こんなことされたらさ、男は勘違いしちゃうよ?」


理性ギリギリだけど、取り合えず諭してみる。
人生の先輩として、男として。


すると紗菜ちゃんは、ムッとしたように唇を突き出した。


「勘違いさせてるのは優さんでしょ?」


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