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【ONE PIECE】 淡く、儚い、モノガタリ 【ロー】

第2章 別離。


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*  *  *  *


「若様? 手配書が一枚、海軍から送られてきたわ!」
「どれ、よこせ」
「なんでも、3年前に天竜人を殺した、奴隷の顔が分かったとか…?!」

渡された手配書…。

そこには確かに、一人のガキの写真があった。
真っ赤に染まった瞳の奥に、明らかに怯えを宿している。
その瞳の色とは対称的に、少し薄い青い髪…。


「可愛い顔してるじゃねぇか、本当にこんなガキが殺ったのかぁ??」


同封されていた手紙には、彼女の詳細が綴られている。

ウェルストという、特殊な血族。
悪魔の実を食べた、「影」の能力者、ということ。
人工に創り上げた病を発症していること。


「影、ねぇ…!!」

(…最高におもしれぇじゃねぇかっ!!!)


魅惑的で、幻想的で、惹かれた。

俺は、すぐ傍にあった上着を羽織り、窓を両手で開いた。
周りにいる奴等は、察したように、スッ、と微笑む。
まるで、愉しい遊戯が始まったことに、喜んでいるように、静かに、口角を上げて笑う。


「フフフフフフ…!!」
「あーぁ、若様ったら。新しい玩具に夢中だわぁ…」
「シェリル・ウェルストなんて、ただのガキじゃないの」
「フフフッ、今頃は16くらいだ。すぐ熟れるさ…、」


「喰い頃」には、そう時間はかからねぇよ。

雲があるのを再度確認し、ウェルゴを連れ、飛び去る。
彼女の潜伏している場所も、俺が一言、探せ、と言えば、分かった。
つり上がった口角は、そのまま、不気味なほどの笑顔だ。


「シェリル・ウェルスト…ッ!!」


(今、迎えに行くからな…、)





―3年前―

『天竜人が殺されたぞッ』
『奴隷のガキはどこに行った!!』
『どこにもいねぇ、逃げやがったッ!!』



──────探せ、凶悪な犯罪者のガキを…ッ!!






「なぁ、ウェルゴ…!! 俺は今、とても愉しいぞッ!!」
「そうか、それは良かった────、」








─────ドフィ、










―史上最悪の男、―
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