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死神に教わる甘え方。【R-18】

第3章 12月15日【あと9日】


「俺、椎名先生のことが……いえ、椎名さんのことが好きなんです」

私は大人。
そう、大人。
だから、じょうずな受け流し方くらい知ってる。

すうっと息を吸い込む。

「わっ、わてゃ、私はっ、森下先生のこ、ことはそのっ……同僚としてしゅ、す、好きっ、なだけ、でぇっ!」

最初の一文字目で噛んだ時点で、もうやけくそだ。何を隠そう。私は今まで恋愛経験など一度もない。あるとするならば、妄想の中だけ。

どれもこれもあいつらのせいだ。

メルヘンマザーとヤンキーファザー。
双子のイケメン好きの19歳の妹達に、
三つ子……いや、三バカの16歳の弟達。

全て、あの個性的で愉快なファミリー達のせいだ。

ろくなテスト勉強も出来ず。
私の大事なものは次々と三バカに壊され。
毎日の様に両親のイチャラブを見て。

私は我慢することを覚えた。

そして、ある日思った。

三バカやイケメンのことしか頭に無い妹達、そしてイチャラブ夫婦なんかに何かを任せるくらいなら自分でやった方が早い。ああ、どうして気づかなかったのだろうか。と。

そして、この性格が出来上がったわけなのだが、こう見えて、私は意外と少女漫画の類が好きなのだ。こういう所で、やっぱり私もあの母親の血を受け継いでいるのだな、と思う。でも、素敵なのだから仕方が無い。リアルで恋愛などする余裕が無い私は妄想だけで恋愛をすることも覚えた。

初恋はとあるマンガのヒーロー。

だから、リアルで告られたことなどない私には……



キャパオーバーだ。
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