第15章 信じることは簡単なことじゃない!
一年中何かしらの植物が咲いているがここに来たのはまだ3度目だ
『…で、話ってなんでしょうか?』
「‥‥‥っ!私の婚約者奪っといてなんでしょうかですって?ふざけないでよ!この泥棒猫!」
ヒステリーを起こし始める橘愛…
以前に比べれば少し痩せたというか痩けたのか…髪の潤いも少なく何より前ほど覇気がない
「あんたのせいで仁さんに睨まれるし」
キッ!と睨まれる
『その話なら私より仁に直接言ってください。仁が誰を選ぼうが仁の勝手だと思います』
私を呼び出したのは文句を言うため?
なら来なければ良かった
「ふふ、そうね。仁さんが決めることよね。」
今度はいきなり微笑み始める彼女
『言いたいことがそれだけでしたら戻りますね。友人が待ってますので』
「でもね松永さん、やっぱり仁さんは私を選んだわよ?今日は桜宮さんと食事会なんですの。あちらのお父様、お母様も来られるそうですわ。昨夜お誘いの連絡がありましたの。その後パーティーもするそうで…って言っても貴方には関係のないお話でしたわね?ごめんなさいね」
ふふっと上品に笑うと見下すような目をされる…
「パーティの内容は仁さんと私の婚約発表よ…これで決まりね…」
“では失礼しますね”と言って去った橘…
『仁と橘さんの婚約発表…か…』
“俺を信じて待っててくれ”って言ってた
なら私は信じて待つしかない