第13章 壊れた歯車
優side
「……っということがありました。“色々あって婚約することにした“って聞いただけで、何があったのかは分かりません。その後3ヶ月もいなくなっちゃうし…。私も彼女の祖父のことは名前しか分かりません。もしかしたら普通科の件も関わってるかもとか考えたことありましたし…。でも何かあれば話してくれるって信じてますので私からは聞きませんでした。」
いきなり現れた祖父と婚約者の存在…
それと同時に夏海の彼女に対する気持ちも知った
あいりとの関係に少し妬けたのであとでお仕置きですね
フフッと笑うと頭にはてなを浮かべる彼女
「夏海ちゃん質問いい?」
「私が知っている範囲でなら答えます。」
「あいりの祖父の名前は知ってる?」
「……。」
和馬の質問に急に黙った彼女…
「皆さん…この事は他言しないと約束できますか?できないのであれば…「当たり前だ。この中に誰も裏切るやつはいねぇ。」」
仁が早く言えとばかりに夏海を急かす
「……神崎 秀次郎…あの神崎財閥の…現会長です」
「「「「………」」」」
神崎財閥…20年前くらいは日本で敵なしとまで言われていて桜宮より強かった…。
しかし最近は業績がやや下がり気味だがそれでも日本で上位5つに入るレベルだ
彼女がそこの孫娘だなんて…神崎に子供がいると聞いたこともなかった…
「ってことは最近提携を組んだか組もうとしているところが婚約相手かもね…」
和馬の言葉に仁が怒りの表情を浮かべる
「クソッ…」
「しっかしよ~、彼女が拐われたことと関係あんのか?」
海斗の的を得た疑問…
「…昨日の…繁華街……あいりいた…」
「「「……!!はぁ?陽希!?」」」
「陽希早くそれを言ってください…」
「あいり…橘…見てた…泣いてた…仁気づかない……」
「チッ…」