第13章 壊れた歯車
~1年前~
「授業って聞いてるだけで眠くなるわ!きっと先生の教え方が良くないの。そう、そうよ!」
『…夏海、試験の結果が悪いからって他人に責任を押し付けないの』
「…そうよね。はぁ~。どうして苦手なのかしら…興味のあることなら直ぐに覚えられるのに」
『確かに。でも特別科だから進みが早いのかも。大丈夫!私が教えるよ!明日休日だし、ショッピングついでにカフェで勉強しようよ』
「良いわね!この間オープンしたカフェに行きたいわ!」
“バイバイ~”といって笑っていたあいり…
しかし次の日私の家に来たあいりは、寝不足気味なのか泣いたのか目が腫れていた
「ちょっと!どうしたのよ!?ひっどい顔よ!私の部屋に入って!」
『…ん』
部屋に入り冷たいタオルを目に充てさせる
「そんな顔じゃショッピング行けないじゃないの!予定変更するわ!私の家で勉強会ね?」
あいりが心配で少しおどけて言ってみると
『夏海っ…ッ…』
泣き始めるあいり…
「何があったの?相手は誰?私がぶっ飛ばしてくるわ!」
『違うの…あのね…昨日家に帰ったら祖父がいたの』
「はっ?祖父!?でもお母さんの方はもう亡くなってたんじゃ…」
幽霊にでも会って泣いてるの?と馬鹿らしい疑問が頭に浮かぶ
『ん…お母さんのお父さんは亡くなってるよ』
どういうことなのかさっぱり分からない…
「…幽霊でも見たの?」
『…会えたらいいな…おじいちゃんに…』
「……。」
意味が分からないわ