第13章 壊れた歯車
「あの…あいりは祖父の家に行ったみたいです」
戻ると幹部の皆さんが全員集まっていた…
「その電話のやつは誰だ?何であいりの居場所を知っている?」
「相川さんはあいりのお母さんの友人で今はあいりの親変わりです」
仁さんはこんなときにでもあいりの周りが気になるらしい
「祖父?あいりは身内がいないって言ってたよね~?」
「…その人の電話番号とか知ってる?」
和馬さんの質問に首を横に振る…
「確かにあいりの言うとおり、情報に祖父がいるとは書いてないですね。」
「飯島…お前のほうが俺より、あいつのこと知ってるだろ?教えてくれ…」
「や…やめてください!そんな皆さんで頭を下げないでください!」
優も含め幹部の皆さんに一斉に頭を下げられ焦る
それと同時に不謹慎かもしれないけど、彼女がとても大切にされていることに親友として嬉しいし誇らしい
一端落ち着いたところで改めて仕切り直す
「上手く説明できないかも知れません。何かあれば聞いてください」
幹部の皆さんが頷いたのを確認し顔を引き締める
「あいりの母親が昨年亡くなりました。元々父親は居らず親戚の人とも疎遠だったみたいであいりは独りになってしまって…その頃に仁さんと出会ったみたいです。気になる人が出来たと言われてすごく嬉しかった。そんな穏やかな日常を送っていたときです。あの祖父が現れたのは…