第13章 壊れた歯車
夏海side
優の部屋にいたら仁さんに呼ばれた
優がドアを内側から開けて中に入ると
「そこ座れ」
いつも以上に雰囲気が恐ろしい仁さんがいた…
「はい…」
「俺の彼女を睨まないでください」
3人掛けのソファーに座ると隣に優が座った
「あいりに関すること教えろ…」
「えっ…?」
「あいつが拐われたんだ早くしろ」
「拐われた!?」
「昨日戻ると言ったあいつが帰って来ねぇのは知ってんな?」
確かに今日は全く連絡が着かない…
「昨日あいつはどこに出掛けた?」
「…分かりません。あ!でも相川さんなら分かるかも知れませんので聞いてみます」
席を離れあいりがよく“たっちゃん”と呼んでいる相川さんの携帯にかける
プルルルルプルルルル
「もしもし?」
「突然すみません。飯島です」
「夏海ちゃんどうしたんだい?」
「昨日の夜からあいりが帰って来ないんです!」
「本当か?あいりは昨日戦うって言って祖父のところに出掛けたぞ…」
「携帯も通じないんです…」
「…クソッやられた!」
「相川さん?」
「あのじじぃ…!俺も調べてみるから夏海ちゃんは今誰と一緒にいる?」
「えっと…“X”のみんなです」
「そこのトップにあいりのこと聞かれたら答えてやってくれ…」
「分かりました…」
電話を切って戻る…