第12章 なぁ、たまには慰めろよ…
「…橘…お前出てけ」
「…なぜですの?私はあなたの婚約者ですよ?昨日だってすぐに駆けつけ抱き締めてくださったではないですか?」
「それはあなたの勘違いです。正しくはあいりの可能性があったため焦った仁が駆け付けた。しかしそこにいたのは震えてたあなたでした。あなたは仁を見るや否や抱き付いた。その場から移動するために“しょうがなく”仁が持ち上げ車に運んだのです。“しょうがなく”です。これが正解です。」
「一応仁の親戚だろ?後が面倒だから放っとくわけにもいかなかった」
「橘ちゃん。そんな鬼畜やめて俺にしない?俺優しいよ。いつでも言ってね~本命にはできないけどセフレにはしてあげる」
面倒くさそうに言う海斗といつもの調子の斗真
「…ッ!」
悔しそうな顔をする橘…
「君にはあいりの変わりは無理。早めに出ていった方がいいんじゃない?」
畳み掛ける和馬
「‥ック!」
橘は何も言い返せずその場で“X”を睨み付ける
目をカッと開き目線を夏海に向けた
「そうやっていい気になってなさいっ!私と同じように襲われたくせに!汚い身体ね!」
“フンッ!”と捨てゼリフを吐くと部屋を出ていった