第12章 なぁ、たまには慰めろよ…
優side
「優っ!どうしてあの女がここにいるのよ!?」
「夏海…落ち着いてください」
彼女が怒るのも無理はない
幹部部屋には昨日助けた橘愛がいるのだから
「私、あの女嫌いよ!
あいりを凄い血相で睨んでたのよ?」
「ああ、あの校門の時ですか…」
「あの女がいるってことは仁さんはあいりを捨てたのかしら?もしそうなら殴り飛ばさないと気が済まないわ!」
3人掛けのソファーにひとりで優雅に座っている橘
その後ろのテーブルに夏海、海斗、斗真、和馬が座っていた…陽希は寝坊か…
仁の姿は見当たらない
「あの女どこに泊まったの?まさか、仁さんの部屋!?」
「違います。客室です。
それで?海斗…どうして橘さんはここにいるのでしょうか?あなたですよね?この部屋にいれたのは?」
幹部部屋は幹部に認められたものだけしか入れない決まりがある
夏海は俺の彼女であり幹部の奴等にも認められている
だが橘は違う
「ま…待てっ!…俺は悪くないっ!…朝コンビニに飯を買いに行ったら帰り際に会っちまったんだよ!仁のところに連れていけ、幹部部屋に連れていけって…うるさくてな…」
ガチャ
扉が開き仁が出てきた…
「仁様おはようございます。昨日は助けていただきありがとうございます。」
仁に駆け寄り丁寧にお辞儀をする橘
「チッ…優…」
朝から不機嫌全開の“王さま”
仁がいつものソファーに座ったタイミングでコーヒーを出す
橘も3人掛けのソファーに戻る
「…あいりはどこだ?」
「…何度も電話してますが通じません」
「飯島は?」
「既読すら付かないわ…」
「チッ…」
俺と夏海で電話やメッセージを送っているが一向に返答がない
昨夜帰ると言ったはずのあいりがおらず、更に連絡すら取れない状況
あいりが心配なのか‥
仁の機嫌はいつもの三倍増し悪い