第10章 立ち止まってもいいですか?
眉間に皺を寄せかなりご立腹の様子…
“X“を知っていても知らなくても彼の容姿に黄色い声が止まらない…
そして会話をした私に視線が集まり睨まれる
いつものこと。繁華街の女たちに向けられる視線に比べれば可愛いもの
「ねぇ、あれって“X”のひとかしら!?」
「“X“がこんなところにいるはずないじゃない」
「飯島さんの知り合いかしら?」
「そうでしょ?あの高級車に乗るような方が、庶民の松永さんの知り合いなわけがないわ」
「少し危ない仕事をしてそうだけど、あの見た目なら私付き合うわ!」
「それなら私だって…」
「あの男性の方どこかで…」
『どうしたの?』
「迎えにきた…」
『…ありがとう』
「チッ…うるせぇ早く乗れ…」
『…うん』
「あれっ?仁さん?」
後ろから聞こえたら高い声