第5章 再会
「俺は、ここに来て四年近くになる、
と言いましたよね。」
「はい...。」
「その時、既に、俺達が知る『戦国時代』と、
タイムスリップした先の『戦国時代』は
違っていたんです。」
(え...!?)
思いもよらない言葉に目が丸くなる。
(『既に』って、ことは...、)
「だから、歴史が違うのは
あなたのせいじゃないです。」
(私の、せいじゃ、ない...。)
「...なら、良かったです。」
『歴史を変えてしまった』という事実に
私はどこかで、少し怯えていたのかもしれない。
それ故、ほっと救われたような気分に
なったのだろう。
「...。」
「...。」
私達の間に不思議な沈黙が落ちた。
「...それで、これからのことですが、」
と、先にそれを破ったのは『佐助』さんだった。
「これから...?」
反復して聞き返す私に
「はい。俺達がこれからどうするか、です。」
落ち着いた、静かな声色でそう言った。