第5章 再会

｢え、えっと...？｣

(『残念』って、何で？)

何を言うのか、と
結構頑張って息を詰めていたのに。

｢ああ、すみません。
俺が最も尊敬する人は
『徳川 家康』なので。｣

(...あ、そういうことか。)

その一言で納得する。

｢出来れば見たかったな、
生『江戸幕府』。｣

(...いや、見れないと思う。)

やはり、納得は出来ても、理解は出来なかった。

｢でも、あなたがそう思う理由は？｣

｢それは...、...私が『織田 信長』を助けたから、です。｣

(『助けた』なんて、そんな
たいそうな物じゃないけど...。)

何度も言うように、咄嗟に体が動いてしまった。
ただ、それだけだ。

｢だから、私達が知る現代の歴史とは
異なるでしょう...？｣

(『徳川 家康』好きの人達には悪いけど...。)

あんな状況で、
『この人は『織田 信長』だから
助けちゃ駄目だ！』
なんて考えられる人がいるだろうか。

｢確かに、ここと現代の歴史は異なります。
ですが、あなたのせいじゃない。｣

｢...え？｣