第3章 出会い2
「いや、ちょっ...!っ、佐助、お前もすぐに来いよ!」
『幸』さんも急いでその二人を追った。
「とりあえず、こっちへ。」
「っ、はい...。」
馬の足音に警戒し、私達は木々の間に入っていった。
…………………………………
「...ここまで来れば大丈夫です。」
二人で森の中を少し歩いている最中、『佐助』さんの言葉で足を止めた。
「すみません、急に。どうしてもあなたと話したかったので。」
『佐助』さんは振り返ってそう言う。
「...私と、ですか?」
(何故?)
その疑問を払拭するように
「ええ。単刀直入に言います。あなたは...、俺達がいた現代から戦国時代に『タイムスリップ』してきました。」
と告げられた。
(...ああ。そうなんだ、やっぱり。)
非現実的な事実だが、推測はしていたのでそこまで驚かなかった。
(...普通、こういう場面では『ええ!私達、タイムスリップしたの!?』みたいな反応をするんだろうな。面倒だからしないけど。というか、今更な気がする。)
私はまあまあドライな性格だと思う。