第3章 出会い2
「は?じゃあ、何でだよ。」
『幸』さんが若干苛立ち気味に尋ねる。
「それは、」
『佐助』さんが話を続けかけた時。
...パカラッ、パカラッ!
「「「「「!」」」」」
馬の駆けてくる音に皆身体を強ばらせる。
ただ、それは一瞬の出来事。
「...そろそろ、時間だな。」
「ええ、急がないと。」
「ちっ...。誰かと一戦交えるのは不可能だったか。」
「やめてください、無闇に戦うのは。」
(?『時間』?もう行かなければならないってこと?)
あまり事情が分からない私はとりあえず、四人を窺う。
すると、どこに隠れていたのか、森の木の影から馬が三頭出てきた。
『佐助』さん以外の男性は馬に跨った。
「?おい、佐助?何で乗らねえんだ?」
「ごめん、幸村。」
そう言った後、『佐助』さんは
「急用ができました。皆さんは先にお戻り下さい。」
淡々と告げた。
「は?いや、何言って、」
「行くぞ。」
「幸ー。置いてくぞー。」
なおも食い下がる『幸』さんだったが、他の二人はさっさと馬を走らせ行ってしまった。