第3章 出会い2
(え...?)
三人揃って声のした方を振り返ると、
(...オッドアイ?)
片方ずつ目の色が違う男性が歩み寄ってきていた。
「謙信。どうかしたのか?」
「『どうかしたのか』ではないだろう。来るのが遅いと思えば、何故男を口説いている。」
顔を顰めながらそう言った男性。
(...ん?今、この人、『謙信』って呼ばれてた...?...呼ばれてたよね、うん。...ってことは、この人はあの『上杉謙信』ってことで合ってる?)
何か、クイズみたいになってきた。と思いながらも会話に耳を傾ける。
「んー、口説いてはないんだが。」
「似たようなものでしょう。」
「...それで、誰だ?お前は。」
オッドアイの両目を向けられ思わず身を固くする。
「この子が崖から落ちそうになっていたのを幸が助けたそうだ。」
そんな私の代わりに『信玄』さんがこたえてくれた。
(...本当にこの人達、あの戦国武将なのかな?それなら、きちんと全員『様』をつけて呼んだ方がいい?...もう、いいや。心の中でだけだし。)