第3章 出会い2
(私、『タイムスリップ』したってこと...?)
先程の一つの可能性。
それは、私が戦国時代に『タイムスリップ』したというものだった。
(でも、待って。それなら、私がさっき助けた人って...。)
私が、燃えさかる建物から連れ出した男性。
その人は自分を『織田信長』と名乗った。
(本物の『織田信長』!?)
その後、新しく男性が三人。
『秀吉』、『政宗』、『三成』と呼ばれていた。
(『豊臣秀吉』、『伊達政宗』、『石田三成』
ってこと!?)
そして、今私の目の前にいる男性二人。
(『幸』ってだけじゃ分からないけど、『信玄様』って呼ばれてたこの人は、あの、『武田信玄』!?)
あまりにも突飛すぎる事実に頭がついていかない。
だが、そう考えるのが普通だと頭で誰かが囁いている気がする。
「...おい、大丈夫か?お前。」
「さっきと比べて顔が青いが、体調が悪いのか?」
顔をのぞき込まれる。
(いや、体調が悪いってわけじゃないんです。)
それを言いたかったのに、声が上手くでない。
「...本当に大丈夫かい?なんなら、俺が介抱しても...。」
「信玄。何をしている。」