第3章 出会い2
「お前こそ、何言ってるんだ?」
(え?)
「今は、乱世だろ?」
(...え?)
「『武士』っていうのも、まわりにごろごろいるだろ?」
(.....え?)
訝しげに私を見ながら『幸』さんが言う。
だが、その言葉はほとんど理解できない。
(は?え?『乱世』?『武士』?...理解不能なんだけど。)
「...幸、お前、この子の頭を何処かにぶつけたんじゃないのか?」
「いやいや。しませんって、そんなこと。」
二人の視線を感じるがそんなことを気にかけている余裕はない。
(...まさか。)
ある可能性に辿り着く。
「...あの。」
「「ん?」」
「今日って...、何年何月何日ですか?」
「今日?今日は、『天正10年6月2日』だ。」
(...嘘だ。そんなの、嘘。だって、その日付って...。)
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本能寺の変。
天正10年6月2日、『明智光秀』が謀反をおこし、主君『織田信長』を討った事件だ。
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(...『本能寺の変』がおこった日。)