第3章 出会い2
「...確かにな。」
『政宗』さんの言葉に『秀吉』さんが同意する。
(っ、え、二人ともそう考えたの...!?凄いな...。って、感心してる場合じゃない!)
そう思っている間に『秀吉』さんと『政宗』さんは体をこちらに向け、歩き出す。
(っ...!どうしよう、このままじゃ見つかる...!もう一回逃げる...?どっちに?)
右からは『秀吉』さんが、左からは『政宗』さんが。
(逃げ道なしだよ!...でも、仕方ない。こういう時は...。)
ぐっと、前を見据える。
(...『勘』だ!)
そして、私は比較的木々が多く見通しが悪い『右』を選んで全速力で走り出した。
「...っ、おい!待て、そこの男!」
「秀吉!追うぞ!」
私の後ろの方でそんな会話が聞こえてくる。
(っ、足、動いてっ...!)
もつれそうな足を心の中で叱咤し、やみくもに走る。
『やみくもに走る』。そのせいで私は気づけなかった。