第3章 出会い2
(...え、嘘。)
新しく現れた馬に乗っている男性を見て、私は目を見開いた。
なぜなら、
(...あれは、『政宗』って呼ばれてた人?)
『秀吉』さんと同じように馬から降りたもう一人は眼帯をつけた男性だったからだ。
(さっきの人達にまた会うなんて...。...いや、会ってはないか。私が見ているだけだから。)
動揺しているはずなのに、妙に、冷静に状況を分析する自分に驚く。
「秀吉。あの男は見つかったか?」
眼帯の男性、『政宗』さんがそう声をかけた。
「...いや、見つからない。だが、こいつらなら見つけた。」
たれ目の男性、『秀吉』さんが追い剥ぎ達を指差し答えた。
「こいつらって...。...近くに誰かいるのか?」
『政宗』さんも『秀吉』さんと同じことを思ったらしく、眉間の皺を深くする。
(...。)
音をたてないよう、私は固唾を飲んでその状況を見守る。
「俺もついさっきここに来たんだ。まだ分からない。」
「そうか。...俺は、あの木の後ろあたりが怪しいと思うんだが?」
(っ...、えっ...。)
『政宗』さん、という人は鋭いらしい。
一発で私が隠れている木の場所を当ててみせた。