第3章 出会い2
...パカラッ、パカラッ。
馬が駆けてくる音。
(...はあ。今度は誰?)
心の中でため息をつきながら音のする方を見る。
すると、
「...何処に行ったんだ、本当に。」
(...!あの声は...。)
何処かで聞いたことがある。
そう思った瞬間、反射的に私は傍の木に隠れた。
(あれは...、あの場所で『秀吉』って呼ばれてた人。)
今、私のすぐ近くで馬から降りたのは、あのたれ目の男性。
「...ん?これは...。」
男性は私が先程倒した追い剥ぎ達に目をとめる。
そして、近づきその男達をしばし観察した後、
「...誰かいるのか?」
と言った。
(っ...!)
つい息を呑んでしまう。
(...あの人達を倒した人を探してるんだ。決して、私がここにいることがばれたわけじゃない。)
落ち着け、と自分に言い聞かせる。
しかし、それを嘲笑うかのように、
パカラッ、パカラッ。
新しい馬の足音が聞こえてきた。