第5章 再会
(いやいやいやいや、絶対、嫌だ!
そのためにも、どうにか親しくならないと...!
親しく、のレベルに今すぐ達するのは
無理だろうけど、せめて、疑いはとかないと...!)
ぐっと握りこぶしを作り決意した。
(...でも、そのためには一体
どうするか、だよね...。)
結局ここに戻ってくる。
(さっきも考えたけど、
ひたすら話しかける...、のは、迷惑だと思う...。
向こうも仕事があるだろうし...。)
作った握りこぶしはすぐに崩れた。
(特に、『秀吉』さんに一番疑われてるよね...。
『少しでも怪しい行動をすれば、斬る。』
とか言いそう...。)
自分の不安を煽るようなことばかり頭に
浮かんでしまう。
時代劇の見すぎが、たたったのかもしれない。
(...とりあえず、私に出来ることを頑張ろう。
そうすれば、『秀吉』さんだって
誤解だったって思ってくれるはず!)
我ながら安直な考えだとは思うが、
これしか思いつかない。
(よし、ファイト!自分!)