第5章 再会
「...ふぅ。」
一つため息をつき、とりあえず
その場に座ってみる。
(あー...。これから、どうしよ...。)
どうしようもないのは分かっている。
だが、どうしても、考えてしまう。
(タイムスリップしちゃったしな...。
仕方ないよね。うん。)
若干、投げやり気味なのは否めない。
「交流を深める、か...。」
壁にもたれかかりながら、天井を見上げ
先程の佐助さんとの会話を思い出す。
要は、武将と親しくなれ、ということで。
(結構な難易度じゃないかな。
ホトトギス殺しちゃうタイプの人とかいるよ?
まあ、鳴かせる人と待つ人もいるけど。)
それこそ、本当に住む世界が違う。
違いすぎる。
(だから、困ってる。...でも、)
親しくならないといけないのは事実で。
自分はここ、安土城で居候させてもらう。
なのに武将にずっと疑われたままなのは
精神的に辛い。
(...いや、肉体的な方が
先に来るかもしれない。)
疑われ続け、そしてそれが確信へと変われば、
言わずもがな、私は...。