第5章 再会

｢え、いや、でもっ...、｣

｢なら呼び捨ての方にしますか？｣

(うっ...。)

何歳か年上の男性を呼び捨てにする、
というのは、中々、私には
ハードルが高い。

｢...敬語ナシの方でお願いします。｣

｢じゃあ、今からで。
よーい、スタート。｣

佐助さんは手でパンッという音を
鳴らした。

(何か、軽い...。)

｢じゃあ、俺は本当にこれで。｣

｢あっ、はい...じゃなくて、...うん...？｣

慣れないタメ口に苦戦しながらも、
ひらりと天井裏へと戻っていく佐助さんを
見つめる。

(慣れてるな、天井裏に上るの...。)

｢とりあえず、咲夜さんはここの武将達と
交流を深めた方がいいと思う。｣

｢...うん、それは思ってた...。｣

(ただ、その方法が分からないんだよね...。
相手は、戦国武将だし。
ひたすら話しかけるとか...？
...いや、それはちょっと、
面倒な人に...。)

解決策が思いつかないでいると、

｢悪い人達じゃないから、安心して。｣

と声が掛かった。
それを聞き、不思議に思うのは、

｢佐助さんは、あの人達を知ってるの...？｣