第5章 再会
「じゃあ、俺はそろそろ行かないと。」
そう言って『佐助』さんは立ち上がる。
「本当に、ありがとうございます。
『佐助』さん。」
私も立ち上がり、
『佐助』さんと目線を合わせる。
「...あの、」
少しの間の後、『佐助』さんは
「別に、呼び捨てで構いませんけど。」
と言った。
(呼び捨て...?
...いやいや、無理無理!
『佐助』さんって、大学生でしょ?
私はまだ高校生だから。
年齢差がありすぎるし。)
「えっと、それは流石に...。
...寧ろ、『佐助』さんは私のこと、
呼び捨てで構いませんから。
敬語とかも使わなくていいです。」
そう申し出た。
すると『佐助』さんは
少し考えた後に言った。
「なら、こうしましょう。
お互いの意見を取り入れて、
名前は自由、敬語は使わない、
ということで。」
(名前は自由で、敬語はナシ...、
ん?『敬語はナシ』?)