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【イケメン戦国】風光る

第5章 再会


「はい...。」

会社員、なんて職業、
戦国時代にあるはずもなく。
似た職業といっても、
思いつくものなんてない。

(...せめて、武士、とか?
...いやいや、ないな、それは。
あの温厚な愁兄に限ってそんなこと。)

浮かんできた例をすぐさま打ち消す。

「...とりあえず、それで
探してみます。」

「宜しくお願いします...。」

(何だか、申し訳ないな。
色々と、ご迷惑かけて。)

無意識に身を縮めていると、

「迷惑だ、なんて思ってません。」

今までにない力強い声でそう言われた。

「え...?」

逆に私は力の抜けた声で聞き返す。

「さっきから言っているように
同じ現代人仲間ですし、
困っている人がいたら助けるのは
当たり前です。」

そう言った『佐助』さんの
眼鏡越しに映る目には、
何か強い想いを感じる。

「...ありがとうございます。
本当に。」

「いえ。」

戦国時代という、味方なんて誰もいない
場所でのこの言葉は、とても、心強かった。
視界が少しぼやけているのは
気のせいだろう。

(...ん?そういえば、私、
また心読まれた...?)
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