第5章 再会
「他には?」
「他...。」
(これだけじゃなくて、もっと
詳しく...。)
そう思って出てきた言葉は、
「...二人共、イケメン、ですね...。」
だった。
「...イケメン、ですか。」
(...ん?私、今、何言った?
『イケメン』とか、口走った?)
『佐助』さんの言葉で正気に戻り、
そんなの、ただのブラコンじゃないか!
と、取り乱す。
「え、や、すみません。えっと、さっきのは
違くて、いや、違うって
わけでもないんですけど...、
とにかく、違うんです!」
動揺しすぎて何を言っているのか
自分自身、分からなくなってきた。
(絶対、『佐助』さんに、
『ああ、この人はブラコンなんだな』
って思われたよ!
そんな視線だよ、これは!)
眼鏡越しに映る目。
私には呆れているようにしか見えない。
「落ち着いてください、咲夜さん。」
あまりの焦りように
『佐助』さんから宥められる。
「っ、す、すみません...。」
(っ、何、テンパってるんだ、私は。
それこそ、おかしい人になる...。)
正座の体勢のまま縮こまる。