第15章 〜15〜

「『もし』」

「ん？」

「『もし』優鞠が武士の娘のままだったら」

「……」

「女々しいけと、今もそうだったらって考える。」

「(優鞠に過去の話聞いたのかな……)そうだったら、自分と同じ様な身分だって？」

「……」

「でも、もし、優鞠が今もお姫様のままだったとしても、家康と結婚するとは限らないよ？」

「…………」

「武士の娘なら、好きでもない相手と結婚とか、そういうの有り得ちゃうんでしょ？それに」 

「……なに」

「優鞠がお姫様から、女中になって安土城にいる。そして、家康も今は安土城で暮らしてる。」

「……？」

「それってさ、凄くない？」

「意味わかんないんだけど」

「(変なとこ頭硬いな……)だから、運命感じないの？」 

「……運命？」

「そう。普通この時代なら、戦とかに巻き込まれて、命落としてたかもしれない。優鞠だって、女中じゃない仕事に就いてたかもしれない。」

「…………」

「でも、色々あったのに今2人は同じ城にいるんだよ？それって運命じゃない？」

「それなら数百年先の未来から来たあんたの方が運命的でしょ」

「……それはそうだけど」


家康はそういうと少しだけ微笑んだ。