• テキストサイズ

イケメン戦国〜未来を夢見る〜

第14章 〜14〜






「……忘れてた訳じゃないんだ」

「もちろんでございます。竹千代様と遊んだことは、私の数少ない楽しかった思い出でございます。忘れるなんてこと……」

「優鞠。顔上げて」


顔を上げると、嬉しそうに笑う家康が居た。


「良かった。覚えててくれて。」


その笑顔は、思い出の中の竹千代様と瓜二つでますます申し訳なく感じた。


「本当に申し訳ございません……」

「謝らないで。怒ってないから。」

「?」

「むしろ謝るのは俺の方」

「どうしてですか……?」

「さっき、との話聞いてた。」 

「え……」

「優鞠の過去の話」

「……」

「あんなに色々あったなら、何回か会って遊んだけの俺のことなんて、覚えてなくてもしょうがないと思ってた。でも優鞠は覚えててくれた。それだけで俺は嬉しい。」

「…………」

「盗み聞きしてごめん。」

「そんな……」

「優鞠、大変だったね。」

「……はい……」

「また……会えて良かった……」

「……私もでございます……」


家康は嬉しそう微笑む。
優鞠も釣られて微笑むと家康は照れたように顔を背けた。




(やばい。)


優鞠は顔を背けられた意味がわからず首を傾げる。


(可愛すぎる。)



家康は自分を覚えていてくれた優鞠がたまらなく愛しく思えて、柄にもないと心で自嘲した。



/ 483ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp