第13章 〜13〜
そんなたわいも無い話をしていると、あっという間に時間は過ぎていたようで、外は夕暮れ時を迎えていた。
「お、そろそろ夕餉の時間だな」
「もうそんな時間か……」
「先に食事場へ行ってろ。俺は少し用事がある。」
楽しい時間があっという間で、少しだけ寂しくなる。
そんな私に気がついたのか、秀吉さんは私の頭をぽんと撫でた。
「またいつでも遊びに来い。」
「うん。ありがとう。また来るね。お邪魔しました。」
私はそう言うと、三成くんと秀吉さんの御殿を後にした。
「三成くん、今日はありがとう。」
「いえ、とんでもない」
「城の中色々見れて楽しかったよ。秀吉さんとも仲良くなれたし」
「ふふ、様が楽しめたなら何よりです」
三成くんはそういうと優しく微笑んだ。
2人で食事場へと廊下を歩いていると、前から光秀さんが歩いてきた。
「あぁ、三成。ここに居たか」
「光秀様、私に何か御用でしたか?」
「ああ、確認したいことがあってな」
「それは失礼いたしました。」
「と何処にいってたんだ?」
「安土城を案内して差し上げてたんです。」
「ほぉ、そうか」
光秀さんはにやりと笑いながら私を見た。
「、今度俺の御殿へ来い。」
「え?なんで……ですか?」
「お前と1度、ちゃんと話してみたくてな」
「はぁ……」
「そんな不快そうな顔をするな。」
「……そんなつもりないですよ」
「まあいい、また声をかける」
「……はい。」
光秀さんはそういうと歩き出した。
「様、私はちょっと外しますので、食事場へどうぞ」
「うん。今日は本当にありがとうね」
「ええ、ではまた」
そういうと三成くんは光秀さんの後に続いて歩いていった。
(光秀さんって、なんか苦手かもしれない……何考えてるのかよく分からないなぁ……本能寺の変の事もあるし……話したいことって何だろ……)
私は少し不安になったが、空腹を感じ足早に食事場へと向かった。