第12章 〜12〜
「この時代に来てすぐは、正直困った気持ちが大きかったけど、今では楽しみたい気持ちでいっぱいなの」
「……?」
「まあ、楽しんでも居られない事もあるとは思うんだけど……。なんていうか、生まれ変わったような気持ち?」
「生まれ変わった……ですか?」
「うん。だからちゃんと友達が作りたくて、優鞠にそう言ったの。」
「……友達……」
「そう。前の時代なら、色んな事考えて、仲良くしたくても出来なかった。でも、この時代なら私を知ってる人は誰もいないし、新しい気持ちで人と関われる様な気がして。」
「……そうですね。いまの様ならたくさんお友達が出来るはずです」
「だといいんだけどね。だから」
私はそっと優鞠の手を取り伝えた。
「この時代での、私の1人目の友達になってください」
「……え?」
「だめ……かな?」
「そんな、とんでもない……。でも……私でよろしいんですか?」
「うん。優鞠がいいの」
「っ……」
優鞠は私の言葉を聞いてついに泣き出してしまった。
「……そんな風に言っていただいたのは……初めてです……嬉しい……」
「ふふ、泣かないで?」
「……だって……」
「こういう時は笑うんだよ、多分」
「多分って……ふふ」
優鞠は微笑んだ。
「わかりました。私で良ければ、是非お友達になりましょう」
「やったぁ。ありがとう優鞠。」
「こちらこそ、様ありがとうございます」
私と優鞠は微笑みあった。