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吸血鬼と過ごす365日の物語

第1章 孤独




「真桜ちゃん」

祖母が私を呼び、おいでと手招きしていた。

今日までしか面倒見れなくてごめんねと祖母はいうが、本当は早く家から出て行ってほしいと思っているんだろう。

真桜は明日から一人暮らしを始める予定だった。

祖母は真桜を玄関に連れて行き、ある一人の男性を紹介した。

「この人は、お父さんの友達の橋本零さん。明日から面倒を見てくれるそうよ」

祖母はうれしそうに話した。
零という男性は、本当に父の友人なのかと疑うほど若かった。

「藤崎真桜です。よろしくお願いします」

自分の名前を名乗ると、零は

「真桜ちゃんね。今日からよろしくね」

そういいながら私に笑顔を向けた。


荷物を持ってきて私は零という怪しい男と一緒に祖母の家を出た。




いつからか私はだれも信用することもできなくなっていた。
生きている価値さえもわからない。
だから、私は急に現れた零に縋り付くしかなかった。

それしかもう道は残されていないように思えた。


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