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吸血鬼と過ごす365日の物語

第1章 孤独



真桜はふとあの日のことを思い出していた。


事件が起きてからもう1か月がたつ。



梅雨の季節に似合わない暑く晴れた日のこと。


私が学校から家に帰ると、誰もいなかった。
いつもなら弟の諒がお姉ちゃんと呼びながら抱きついてくる。

私は不思議に思ってリビングには向かうと、そこはいつも見る風景とは全く違い、母と父と弟3人が倒れていた。

何かによって裂かれた父の体からは、1滴も血は流れてなかった。




3人の死体からは血がすべて抜き取られており、部屋にも血痕がない。

マスコミは、解決しないこの事件の犯人を吸血鬼ではないかと騒いだり、娘である私が犯人ではないかという意見まで出てきた。

結局、何の証拠は見つからず事件は迷宮入りした。

そんな不気味な事件は私を孤独にさせた。

誰も私を預かってくれる人は見つからず、気の毒に思った母方の祖母が1カ月だけならと、私を引き取ってくれた。

そして、1か月経った今、私は再び独りぼっちになってしまった。



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