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【ONE PIECE】アイサレたくない恋【サッチ】

第8章 Darkness➤Brightly



無性にマスターに会いたくなった。

昔の夢を見たからか、はたまた…。

重い体を起こし隣で眠る昔の恋人を見つめる。

サッチを裏切るかたちとなってしまった罪悪感と、胸に小さく芽生えた幸福感。

机の上に置かれた指輪を手に取りため息をついた。

「結婚してくれる気になったかい?」

「…私さ」

「うん」

「初めて無断で外泊しちゃった」

沈黙が流れてしまったのでシャワーを浴びようとシーツを身にまといベットを降りる。

ああ…オヤジの拳骨は避けられまい。

あの人は女だろうが子供だろうが怒る時は容赦ない。

それから兄たちとおねーさんたちからの長い説教。

末妹だから甘やかす分、過保護である。

「なまえってさ、切り替えはやいよね…」

「そうかな?」

「そういうところに惹かれたのかな」

無言で指輪を机に置くと、優しく手を引かれ再度ベットに腰掛ける。

「これ、僕の連絡先。君今海賊なんだろう?たまにでいいからさ、連絡してよ」

「貰えないわ」

「どうして?」

その問いに最適な答えが見つからなかった。

海賊は欲しいものは何が何でも手に入れるらしい。

私もその端くれなのだから。

「ね、私のことどう思ってる?」

「え?言ったじゃないか、"好き"だよ」

「"好き"なの?"愛して"はないの?」

「…?そうだよ?」

私の中では明確に線引きされていたものが、他人に通用するはずがないのに、心のどこかで求めていた。

同じ過ちは犯さないと自慢げに言った彼の言葉が抉る。

わかりきっていたことなのに。

昔は恐れ望んでいたことなのに。

"愛され"ることを知ってしまった私は貪欲になったよう。

「…ごめんなさい」

「…そっか、わかったよ」


少しは強くなれただろうか。
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